冬を超えるために玄米を食べている

急に玄米が食べたくなった。

 

自分は白米がそこまで好きではなかった。大学生時代の初期は実家から送られた米を冷蔵庫に保管したまま放置してしまい、いつのまにか蛾の幼虫の箱庭ができてしまったことがある。あの時は最悪だった。

 

白ごはんのおいしさに気づいたのは比較的最近なように思う。大学生時代後半頃からはごはんおかわり無料の店が大好きになった。

 

チェーンだとやよい軒が結構好きだ。卓上に置いてある無料の漬物が見た目からは想像できないほどおいしいし、だし汁も無料で置いてあって茶漬けにできるので毎回3回ぐらいおかわりしている。

 

でも最近、白米をパクパクたべると「糖分が脳に回る~~~~~」という感覚が強くなっているように感じて、また苦手になってきた。わがままな人間である。

 

実家から送られてきた米5kgを消費しきったタイミング、スーパーで買い物をしていると玄米が目に入る。

 

玄米、いいじゃん。と思って購入。

 

最近寒すぎて何もできず、このままだとご飯を炊くのすらめんどくさくなる未来が見えていた自分にとって、「白米を玄米に切り替えること」は飯を炊くモチベーションアップにつながるのではないか。そう思ったのである。新鮮な楽しみがある→行動に自然とつながる、というライフハック

こういうムーブをとらないと、私は冬を越せないのです。

 

 

炊いた。玄米だ。

 

宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」で「一日ニ玄米四合ト味噌ト少シノ野菜ヲタベ」という一節があり、玄米を見るたびにそれを思い出す。

 

四合って食いすぎだろとずっと思っていたが、調べると当時の肉体労働者はそのぐらい食べていたらしい。病弱かつ実家が金持ちだった宮沢賢治は、むしろ当時では高価な白米を食べており、病床で書いた「雨ニモ負ケズ」はそのコンプレックスが反映されているとのこと。なるほどね。「サウイフモノニ ワタシハナリタイ」ってそういことだったのか。

 

久しぶりに食べた玄米は素朴な味がした。

うまい。シンプルにうまい。

 

調べると糖質自体は白米とそんなに変わらないので、糖分が脳に回る感覚が抑えられるということは無いのだが、なんとなく健康食という心理的な効果があるのか、白米より食後眠くなりにくような気がした。

 

なお、白米よりも消化に時間がかかるので、胃が弱い人にはあんまり勧められないらしい。病弱な宮沢賢治が食べていなかったのもそういうことらしく、万年おなかぶっ壊しくんの自分の体に合っているのかはわからないが、今のところは大丈夫そうだ。

 

とりあえずは「白米ではなく玄米を食べる」という新鮮な体験、それをよりどころとして冬を乗り越える気概。

そうやって生きている人も、います。