缶コーヒーは不味いが精神的に美味いという話

缶コーヒーを買う意味が分からない、とかつて思っていた。不味いから。

 

コンビニ食ですら「麺がおいしくなりました」とかなんとか言っている一方で、缶コーヒーは永遠に不味いままな気がする。缶コーヒー業界には成長という概念が無いのか?と疑っていたレベルで、不味い。

 

しかし社会人になって初めて迎えた冬、あの不味い缶コーヒーを毎朝買っている自分がいた。

 

あの「微糖」という表記が嘘すぎる糖分、美味くないコーヒーのカフェイン、そして激熱の缶。これが激寒い冬の早朝に、ちょうどいいのである。

 

そこで缶コーヒーは味そのものの質ではなく、それ以外の要素で消費者を取り込んでいると気づいた。自分はデスクワーカーだが、これが建設現場などの肉体労働者だった場合はよりありがたみが増すに違いない。自分はたまにしか吸わないが、タバコのヤニ味と相性が良い感じもしていて、喫煙者がよく手にしている理由もなるほど、理解できた。

 

 

「朝専用コーヒー」と売り出して大ヒットしたWANDAのモーニングショットは本当にすごい戦略だと思う。自販機のラインナップを眺めて選択する際、「朝専用」なんて書かれてたらつい買ってしまうし、味自体もちょうどいい気がする。

 

転職して早朝の出勤がなくなったことや、職場にある自販機が以前よりも割高になってしまったこともあり、缶コーヒーを買うことは殆どなくなってしまった。

 

しかし、あの不味いコーヒーは「労働の味」として私の舌に刻み込まれている。かつてアールグレイの紅茶が「仮病の味」として私の舌に記憶されていたように。

 

 

youtu.be

 

↑貼る写真が無さ過ぎてなんとなく昔撮った写真を選んだんですが、6月撮影の海なのでめちゃくちゃ夏。

でも冬の話をしている間に挿入すると冬の海に見えなくもない……

 

どうでしたか?!?!?!?!?!?!?!?!!