【完全版】毛皮のマリーズの元ネタをまとめてみる

毛皮のマリーズというロックンロールバンドがあった。2003年結成、2011年解散。
 

彼らの楽曲はどれも、バンドのフロントマンである志磨遼平氏の趣味嗜好が色濃く反映されている。
 
良く言えばオマージュだらけ、悪く言えばパクリだらけ。
あまりにも元ネタそのまんまな楽曲があったりで嫌悪感を示す人も一定数いるに違いないが、それが毛皮のマリーズの大きな魅力の一つでもある。
 
本記事では、主にインターネットの情報を参考に、毛皮のマリーズの楽曲等の元ネタをまとめることに挑戦した。
 
性質上、どうしても個人的な主観が入ってしまうが、できる限り客観的に似ているかどうかを判断したつもりである。
 
かなり自信のあるものは「ほぼ確定の元ネタ」として挙げ、あまり自信のないものは「元ネタ?」として挙げた。なお、インターネット上で「これが元ネタ」としている記述があったものでも、筆者が明らかに全く違うと感じたものに関しては今回除外した。
 
追加の情報提供、お待ちしております。TwitterのDM等々からお気軽にどうぞ。
※曲名とアーティストだけでなく、「Aメロの部分がそっくり」のようにどこが似ているかまで教えていただけると非常に助かります。一聴しただけだと腑に落ちないことが多々あるので……
 
○最終更新日 2024/11/25
※本記事はnoteで掲載していたものを個人ブログに移転したものとなります。
 
 

インディーズ1st 戦争をしよう

〇ほぼ確定の元ネタ〇
内ジャケット写真:MC5アー写
「BORN TO MEET YOU」: BRUCE SPRINGSTEEN / Born in the U.S.A 
「BORN TO MEET YOU」ラストのチュ~音: New York Dolls / Looking For A Kiss
「或るGIRLの死」イントロ部分: The Monkees / Day Dream Believer
「(MY JOHNNY) SUE」: The Beatles / Baby It's You
「YOUNG LOOSER」: Mott the Hoople / All the Young Dudes
「アンプリファイヤー」: The Stooges / T.V. eyes
ロリポップ」イエーイの掛け声:Marc Bolan風(参考:T.Rex / Children of the Revolutionほか)
ロリポップ」バッキングリフ:T.Rex / Get it On
「世界のトップ」:THE BLUES BROTHERS / Gimme Some Lovin'
「VELVET GOLD MAY」という題名:David Bowie / Velvet Goldmine のタイトルもじり
「VELVET GOLD MAY」イントロ:Mott The Hoople / The Golden Age Of Rock 'N' Rollのイントロ
「VELVET GOLD MAY」Aメロ終わり:T.Rex / Laser Love イントロ後半のハンドクラップ
「BOYS」のリフ:David Bowie / Diamond Dogs
「BOYS」のサビの歌詞:The Rolling Stones / (I Can't Get No) Satisfaction
 
元ネタ?
「LOVE DOGS」:The Stooges / Search and Destroy ?
「或るGIRLの死」の歌詞に出てくる「ブルーベリーヒル」:Fats Domino / Blueberry Hill ?
「アンプリファイヤー」終盤の絶叫部分:The Beatles / Helter Skelter?
「FUJIYAMA-FLASH」:AC/DC / Shoot to Thrill ??
「VELVET GOLD MAY」の最後:The Who / Wont' Get Fooled Again ?
「VELVET GOLD MAY」の最後のピアノ:The Beatles / A Day in the Lifeのオマージュ?
 

インディーズ2nd 「マイ・ネーム・イズ・ロマンス」

〇ほぼ確定の元ネタ〇
ジャケット画像:ロンドンで60~70年代に流行っていたブティック店、「Granny takes a trip」の壁面に描かれた絵
「アンダー・マイ・ヘア」:Slaughter and The Dogs / Cranked Up Really High
「犬ロック」の出だし:Elvis Presley / Jailhouse Rock
「犬ロック」のAメロ:Eddie Cochran / Something Else(のSid Vicious がカバーした版)
「犬ロック」というタイトルの着想:Elvis Presley / Hound Dog
「ガンマン、生きて帰れ」:T.Rex / TELEGRAM SAM
「センチメントがお好き?」のイントロ部分:The Crests / Sixteen Candles
「センチメントがお好き?」の間奏部分:Del Shannon / Runaway
補足:上2つの楽曲は映画「アメリカン・グラフィティ」のサントラに収録されているらしく、志磨遼平がそこから着想を得た説があります(なお曲順も一緒)。
「センチメントがお好き?」のメロ出だし: Neil Sedaka / Happy Birthday Sweet Sixteen 
「センチメントがお好き?」のドゥーワップ部分: Barry Mann / Who Put The Bomp
「クライベイビー」イントロ部分:Dead Boys / All This and More
「クライベイビー」:The Four Tops / I Can't Help Myself
「シスターマン」終盤の女性スキャット忌野清志郎 / 世界中の人に自慢したいよ
「(パンクロックによる)人類賛歌」:Sex Pistols / Silly Thing
「(パンクロックによる)人類賛歌」サビ部分:Dead Boys / All This and More
「(パンクロックによる)人類賛歌」「よく転び~」のブレイク部分:Mott The Hoople / The Golden Age Of Rock 'N' Roll
 
元ネタ?
「REBEL SONG」:Suzi Quatro / The Wild One ?
「Great Big Kiss(・・・and big Noize)」のタイトル元:Shangri-Las /Give Him a Great Big Kiss (編者注:カバー版の Johnny Thunders / Great Big Kiss の可能性もあり)
 

1st ミニアルバム 「Faust e.p.」

「おはようミカ」のリフ:The Rolling Stones / Doo Doo Doo Doo Doo(Heartbreaker)(インタビューで志磨が「あれをギターでやったんですけど、気付いたら村八分になっていた(笑)」と発言しているため完全確定の元ネタ。おそらく該当する村八分の楽曲は「あやつり人形」。ただ、あやつり人形の方はSympathy for the Devil を元にしていそうな気が…)
 
〇ほぼ確定の元ネタ
「おはようミカ」のギターソロ:The Rolling Stones / Sympathy for the Devil
「ハートブレイクマン」:The Byrds / Mr. Tambourine Man
「ジャーニー」の「キープオン、不安定~」部分:The Spencer Davis Group / Keep On Running
 
元ネタ?
「ジャーニー」の歌詞「止まると俺死ぬから」:間寛平の持ちネタ「止まると死ぬんじゃ」??
ライデイン(愛と笑いのロード)」:サディスティック・ミカ・バンド / ダンス・ハ・スンダ ?
 

インディーズ3rd 「Gloomy」

ビートルズオマージュ多め。
 
〇ほぼ確定の元ネタ〇
「チャーチにて」:The Velvet Underground / Candy Says
「チャーチにて」の終盤の鐘の音: John Lennon / Mother (「ジョンの魂を彷彿とさせる~」とインタビューで言及あり)
「人間不信」のイントロ:Wings / Jet
「人間不信」の「ヘル貸し切りパーリ・パーリー」:The Beatles / Birthday の「Yes we're going to a party party」部分
「人間不信」の歌詞にある「死ぬのは奴らだ」: Wings / Live and Let Die の邦題「007 死ぬのは奴らだ」から
「人間不信」の終盤近く、目覚まし時計の展開:The Beatles / A Day in the Life
「愛する or die」の「E・G・T・U・S・U・ない!」部分:Bay City Rollers / Saturday Night
Honey Apple」: The Beatles / Get Back
ザ・フール」のコーラス部分:Lou Reed / Walk On the Wild Side
「人生Ⅱ」のイントロ: The Who / So Sad About Us
「人生Ⅱ」:Nick Lowe/Cruel To Be Kind
「God Only Heavy Metal」:The Beatles / Helter Skelter
「God Only Heavy Metal」の「5秒で十分、ハハハハ、十分十分」の十分十分部分:The Beatles / I am the Walrus
「超観念生命体私」:The Beatles / Here, There And Everywhere
「小鳥と私」: The Beatles / And Your Bird Can Sing
「恋をこえろ」のアウトロ: The Beatles / A Hard Day's Night
「恋をこえろ」MVの歌詞めくり演出:Bob Dylan / Subterranean Homesick Blues のMV
「平和」のイントロ(ボーカル後ろで鳴ってるメロトロンやストリングス等):The Beatles / Strawberry Fields Forever
「平和」の間奏オルガンソロ: The Beatles / In My Life
「The Heart of Dixie」のピアノ(部分的に):The Beatles / Lady Madonna
「The Heart of Dixie」アウトロのベースリフ:The Beatles / I Want To Tell You
「悪魔も憐れむ歌」というタイトル:The Rolling Stones / Sympathy for the Devil の邦題、「悪魔を憐れむ歌」から
 
元ネタ?
「チャーチにて」:Elvis Presley / Love Me Tender?
「超観念生命体私」:The Beatles / Happiness is A Warm Gun ?
「恋をこえろ」のコード進行:銀杏BOYZ / SKOOL KILL もしくは 援助交際(キーが違うだけでそのまま)
 

メジャー1st「毛皮のマリーズ

 

「ボニーとクライドは今夜も夢中」リフ:New York Dolls / Personality Crisis
補足:「ボニーとクライド」は実在の強盗カップル。映画「俺たちに明日はない」参照。
「DIG IT」:Faces / Stay With Me
「COWGIRL」:The Rolling Stones / Star Star
「BABYDOLL」のサビ:Cheap Trick / I Want You To Want Me
「バンドワゴン」:RCサクセション / ドカドカうるさいR&Rバンド
Aメロ、ピンク・レディ / 渚のシンドバット ?
「それすらできない」:忌野清志郎 / 世界中の人に自慢したいよ
「すてきなモリー」:井上陽水 / 夢の中へ
「晩年」というタイトル:太宰治の処女作品集『晩年』
 

メジャー2st「ティン・パン・アレイ」

〇ほぼ確定の元ネタ〇
通常版のジャケット写真:写真家Erwin Blumenfeldによる1938年の作品"Lisa Fonssagrives on the Eiffel Tower"
「序曲(冬の朝)」:The Concept / Teenage Fanclub
「さよならベイビー・ブルー」:大瀧詠一 / 空とぶクジラ
「おっさん On The Corner」:Creedence Clearwater Revival / Down On The Corner
「Mary Lou」のリフ:George Harrison / What Is Life
「C列車で行こう」タイトル:ジャズの定番曲「A列車で行こう」 (Take the 'A' Train) 
「C列車でいこう」のイントロ:The Ronettes / Be My Baby
「おおハレルヤ」:Al Green / Let's Stay Together
「愛のテーマ」: Billy Preston / Nothing From Nothing
「欲望」:First Class / Beach Baby
■編者注:「欲望」のイントロで使われているフレーズが「Beach Baby」の中間部に出てきますが、実はクラシックから引用された有名なフレーズです。シベリウス作曲の交響曲第5番第三楽章で用いられているものなので聴きたい方は「Sibelius - Symphony No. 5 - III. Finale」で検索。
当初、Strawberry Switchblade /Since Yesterdayを元ネタとしていましたが、たまたまこの曲もイントロでシベリウスのフレーズを使ってただけでした。
弦楽四重奏曲第9番ホ長調「東京」」:George Harrison / Isn't It a Pity
「彼女を起こす10の方法」:Groovin' / The Young Rascals
 
元ネタ?
「おっさん on the corner」:サディスティック・ミカ・バンド / どんたく?
 

メジャー3rd「THE END」

「ラストワルツ」のイントロ:The Velvet Underground / Sunday Morning
「ラストワルツ」Aメロ出だし:新田恵利 / 冬のオペラグラス ?
「上海姑娘」:Siouxsie And The Banshees / Hong Kong Garden
「The Ballad Of Saturday Night」:John Lennon / Gimme Some Truth
毛皮のマリーズのハロー!ロンドン」というタイトル:映画「ザ・タイガース ハーイ!ロンドン」
「となりにいてね」:The Beatles オマージュ?(全体的な雰囲気はビートルズだが特定の元ネタがあるわけではない??)
ダンデライオン」:Jason Crest / Waterloo Road と The Beatles / With a Little Help My Friends
「THE END」の曲展開・ギターソロ:Sid Vicious / My Way 
 

その他

「ビューティフル」MV クソデカ火柱ライター:松田優作主演のドラマ、探偵物語のオマージュ
「スタッガー・リーを撃て」:Lou Reed / Hangin' 'RoundとThe Heartbreakers / Let GoとDavid Bowie / Suffragette City ? Bob Dylan / Subterranean Homesick Blues も?
「コミック・ジェネレーション」:Mott The Hoople / The Golden Age Of Rock 'N' Roll
シングル「ビューティフル/愛する or die」のジャケット画像:Plastic Ono Band / Instant Karma! 
ベスト盤「MARIES MANIA」のジャケット画像:Ramonesのベスト盤「Ramones Mania」
イエモンのトリビュート盤に収録されているカバー「SUCK OF LIFE」:Nick Lowe / Cruel To Be Kind
謎の覆面バンド「Los Inferno」による「Dos Dos Dos」:The Damned / Neat Neat Neat (ジャケットも「Neat Neat Neat」のUKシングルオマージュ。ちなみにスペイン語で「Dos」は「2」を意味します……「にー(と)にー(と)にー(と)」ってこと!?)
毛皮のマリーズというバンド名の着想:寺山修司による戯曲「毛皮のマリー」+カルト的な人気を誇るロックバンド「裸のラリーズ」の語感?
 

おまけ

 
元ネタが分かりやすい曲を使ってspotifyのプレイリストを作ってみました。マリーズの曲→その元ネタ→マリーズの曲→その元ネタ→… という順番になっています。入門にもいいかもしれませんね。
 
引き続き情報求む!
 
情報提供者(敬称略、順不同)
J.J
Honey
imaizmy
よだれたらし
まくら
猫の角
こばいあ
目暮警部
ルクアイス
まちだ
木之元 清士朗
TAKESHITAKAHASHI

 
【NEW】ゴイステと銀杏BOYZの元ネタ集も作りました。